心打たれる

ある人の紹介で、県内の繊維品のメーカーに伺った時のこと。


初めての面談ということで、

しばらくの間は、事業の成り立ちや業績推移、現状のマーケットなどを聞き、

その後、工場や設備を見学する。

話しているうちに、次第にお互いが打ち解けていく感じがして、

普段の生活やご家族のことに話が及んでいく。

と、ここまでは普通のヒアリングである。


ヒアリングを通じて感じたことは、

その社長の、「ひたむきで真摯な姿勢」である。


24時間稼動の工場は、すでに極限まで生産性を高めている。

その上、早朝5時には出社し、社長自ら機械の整備。

勿論、様々な工夫を凝らして、経費を節約。

こんなにも「真摯」に経営に取り組んでいるにも関わらず、

会社の「利益」が思うように上がったこない。


うーーーんん、なぜなのだろう???


帰りの途上、なんだか腹が立ってきた。

一体何が悪いのだ。

教科書通り、いやそれ以上の経営努力。

なのになぜ?


業種が悪い?

地方企業であること?

景気?

政治?

トレンド?


何の解決にもならないが、

真面目で真摯な社長になりかわり、

「世間」に怒りをぶつけたい一瞬であった。






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