循環
先日、あるクライアントとの面談でのこと。
そのクライアント、多少借入は多いものの業績が良く、資金繰りも安定している。
しかし先行きの不透明な業種であり、現在のビジネスモデルの限界もあって、
何らかの構造変革をしなければならない、ということで相談を受けている。
そのため、数ヶ月に亘り経営者と面談し、「プランニング」の材料を探しているのだが・・・・
その会社、地元の中堅規模でいくつかの事業ユニットを持っている。
全国で不況の風が吹く中、その会社のいくつかの分野も「赤字」となっている。
我々は、会社の体力のあるうちに赤字部門を閉鎖することを検討するのだが、
なかなかどうして、これが難しい。
経営者曰く、
「製品開発に○○年費やしている」
「赤字受注とはいえメイン取引先」
「費やした開発費や借入が莫大」
理由を挙げればきりがないが、なかなか部門閉鎖に至らない。
といって新規事業を始めるためには
「資金がない」
「人がいない」
「取引先とバッティングする」
と、これも出来ない理由にきりがない。
結局、その日も何の「行動計画」も出来ずに終わってしまい、
議論や発想が循環しているままである。
人は変化を嫌う動物で、それは従業員も経営者も変わらない。
しかし、今の方向に「明るい未来」がないことが判った時は、
方向転換しなければ皆が不幸になっていく。
所謂「負の循環」を断ち切るためには、「もう一歩先」の決断が必要なのだろう。
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