営業の質
クライアント会社の会議でのこと。
その会社、ここ数年売上不振とコスト高に悩まされ続けていたが、
改善策として4ヶ月前より幹部社員による経営会議を開催している。
そのための打開策として発注先別の採算を見直したところ、
最大手の取引先が「赤字受注」であることが判り、納入単価の見直しを開始した。
そして単価引き上げの交渉をするよう担当の営業マンに指示したが、
前回の会議で「全く手付かず」であることが判明した。
営業マン曰く
「その先は私が決めた単価で秋まで納品する」
「それ以降は自分の転職先へ生産を持っていくので、会社に迷惑はかけません」
その営業マン、業界の凄腕として先代の社長が引き抜いた人。
一時は取締役となったが、業績不振などで解任となり、早々に同業者への転職を決めている。
それにしても「自分の転職とともに取引先を持っていく」ってなんだ?
法律や会計のプロが自分のクライアントを独立と共に移すことは良く聞く。
でもメーカーの営業社員が自分の転職とともに取引先を移すというのは聞いたことがない。
そのクライアント先の生産は、確かに全国どこでも作っているものではあるのだか・・・・
これでは働いている社員に忠誠心や連帯意識は生まれないのも確かであるし、
何より支払っている給与はまるで「歩合」ではないか?
こんなこと許されるのか、ということで再度経営陣と対策を練ったが、
なんだかものすごく疲れた会議であった。
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