価格の記憶

先週よりブログ再開したら、数々の励ましのお言葉頂きました。

こんな適当な文章なのに、お読みいただき本当にありがとうございます。



価格の決定要素には様々な要因がある。


あるクライアントと地主の土地賃貸交渉に立ち会った時のこと。

対象となっている土地は市街地から遠く離れた場所。

謄本上の山林でなく本物の「山林」に囲まれたほんの少し平たいところ。

普段は人通りもなく、周りに住む人も少ない。

そんなところでは賃貸、売買いずれも成立すること稀でかつ安価なのだが・・・


20年ほど前、バブルの最盛期に買い求めた所有者、

当時としては正当であった(と思う)価格は現在の時価相場の約10倍。

希望と期待、夢や目論見を膨らませて購入した土地なのだが、

残念なことに途中で萎んでしまったようだ。


買うにしろ借りるにしろ正当な価格であれば準備するつもりでいたクライアント、

しかし、所有者より提示された価格は相場の10倍。

価格の根拠は「当時の買値」と「所有者の主張する(東京の)常識」なのだそうだ。


どんな不動産でも所詮は「モノ」。

価格決定の要素は本来は重要と供給であり、その交差点が相場である。

しかしこの話、その価格決定の要素に「思い出」と「記憶」が混入されている。


立会人として、遠路東京より来た所有者に少しは相場のお話をしたつもりだが、

どうも通じていないような・・・

所詮言葉は「記憶」に勝つことが出来ないようである。







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