一安心

どこかで書いたことがあるが、

事業再生の仕事の中で一番厄介なのが「保証債務」である。

特に、経営者以外の保証人(親戚や従業員)は、

その時の立場や経営者との関係で「債務保証」したのであって、

実際の経営や借入に関与していないだけに、解決までの道程は険しいのもがある。


しかし、本日弊社のクライアント先(の保証債務)が、解決の方向となった。


発端は数年前、資金繰りに困った社長が従業員を保証人にして資金調達したという良くある話。

しかし、その会社は閉鎖し、社長は自己破産。

当然債権者は「保証人」へ請求する。

金額は「会社」の借金であるので、数千万円。

かたや、保証人は「事業閉鎖」の結果解雇され「無職」。

当然、その差は大きく、保証債務の返済はほとんど進まない。


ところが「返済が進まない」というのは重要な要素である。

通常債権者は、返済速度を重要視するので、

ほとんど進まない債務者については「何らか」の措置を講じる。

その一つが「担保の処分」であり、もう一つが「一部返済による和解」である。


そこで弊社が間に入り、保証人が希望する方法で解決する見込みとなった。

保証人とすれば一安心である。


誰でも「借金」を負うのは好きではない。

まして保証人は生活に苦慮している最中であり、「他人の借金」である。


解決しそうだという知らせに、若いその保証人曰く。

「解決したら家でも買います」

「おいおい、そんな金どこにあるの?」

「これから働いて貯めます」

「でも過去の借金(保証)から開放されれば、働く気合が違いますから」


それを聞いて、何だか一安心。





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