バランス
あるクライアントの依頼で「経営改善計画」を作成した時のこと。
その会社、面倒見の良いことで知られた名物社長が経営。
苦しいながらも、地方都市でなんとかこの不況の中泳いでいる。
しかし、地方経済、特に建設業を中心とした不況は深刻で、
そろそろその会社の体力も限界に近づいていると予感し、弊社への依頼。
さて、計画作成で最も重要かつ難しいのが「売上予測」と「原価予想」。
大幅に伸びれば良いが、この不況下「横ばい」が精一杯。
でも収益力を改善しなければ「会社」に未来はない。
結局行き着くところは「原価」の見直し。
さて、原価はどうやって下げるのか?
社長といろんな角度から検討する中で、見えてきたのが社長の人柄。
下請け発注を絞ることで原価ダウンをしようという案に乗り気でない。
社長曰く「下請け」は経済的・社会的なな弱者。
生活があり、家族がいて、絶対泣かせてはいけない。
でも「材料コスト」だけの原価低減では効果が不十分。
やっぱり下請けにも、すこーし負担してもらわなくては・・・・
面倒見がいいのはすばらしいことですが、少しは自分の身を案じてください。
朝から3時間、なかなか結論が出ず、議論は循環しながら元のところへ。
経済や会計での正解、一見すると正当なのだけど、
なかなかそれだけでは会社や組織は運営できない。
不採算や非合理、人の気持ちも経営の一部だということは理解できる。
でも、残された時間はあまり長くない。
社長の気持ち、次回行く時には少し前進しているといいな。
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