事業再生の現場から

リスケ交渉の現場…

亀井静香元金融担当相の肝いりで始まった「中小企業金融円滑化法」の効果か、今では中小企業事業主にも「リスケ」と言えば、「金融機関からの融資返済条件変更を示す言葉なんだ」という認識が広まっている。

金融機関がリスケを「呑めば」、翌月からの返済条件が緩和され資金繰りが楽になる、これがリスケの効能であると、世間一般にも浸透している。

 

昨日は「リスケの依頼」を目的に、取引先の社長さんと某金融機関(複数)へ足を運んだ。

取引先と言っても、つい先週契約を締結したばかりであり、情報も少ない中「取り敢えず止血」との思いから、取引金融機関へ「お願い行脚」をして来た形だった。

「いまどきリスケ?」と思う方もいらっしゃると思うが、金融機関の破たんが相次いだ栃木県内は事業再生の“先進県”であり、東京を始めとする関東各県では、まだ資金繰り維持のための「リスケ支援」さえ金融機関に相談できていない中小企業も多いのだ。

 

最初に行った某信金では「リスケは良いですけど、条件として当庫制定の「経営改善計画書」が提出条件で、それができるまではリスケに応じられません、約弁を続けていただきます」との強い姿勢…

「手許資金が枯欠する前に止血を…」との経営者の心の叫びを冷たくあしらわれ、少しムッとした私は「改善計画って仰いますが、このレベルの計画なら、出せって言うなら2~3日で出しますよ。でも充分な現状分析も検証も無い計画を出したって、何の意味があるんです? 現実の経営が良くならないと、当社も御庫に何のメリットも無いのではないですか?」

ちょっと生意気そうな担当者だったので、少し強めに言っちゃいましたが(((^^;

実際には、リスケ時に「経営改善計画書」を提出させることによって、取引先の格下げを防止し、自庫の貸倒引当金負担軽減という効果はあるのですが… それはあくまでも貸し手の都合であって、おカネを借りている側には何のメリットも無い話な訳で…

 

担当者と話してもなかなか埒が明かず難儀しましたが、「店内協議する」という処まで持って行けたので、「暫定対応リスケ」で当面の資金繰りに余裕が出そうです。

 

次に行った信金(メイン)の対応は、同じ信用金庫でありながら、また違ったものでした。

続きは次回に…



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