「去る者は日々に疎し」と言いますが、つい先日起こった事象でも、相当前に起こったような気にさせられることがあります。
それとは反対に、相当以前に起きた事象でも、つい先日起きたような気にさせられることもあります。事象・事柄のインパクトが強い時など、感じることがあるようです。
帝国データバンク社が発行する週刊帝国ニュース(栃木県版)7/27号の「ビジネス最前線」に、“新生! 東昭建設の戦略”という記事が掲載されました。
千葉県柏市に本社を置く広島建設㈱の出資を受け、同グループ入りして事業再生を果たした東昭建設の「再生の1年」を振り返り、今後のグループ事業戦略の一翼を担って行く同社の活躍を期待する、として締めている記事です。
東昭建設という名前自体、久々に聞いた感があります。
昨年5月に広島建設の傘下に入った当初は、下請企業への数千万円単位の未払金が取沙汰され、連鎖倒産が続くのでは…?と私も見ていましたが、何のことは無い、旧東昭建設㈱関連で連鎖倒産に追い込まれた企業の噂を聞くことはありませんでした。
負債総額が大きかった倒産(破産)劇としては、異例とも言える事象だと思います。
広島建設が主体になった再生スキーム概要については、TDBレポートでも触れられていますが、旧東昭建設㈱の下請企業群は「東昭建設にお世話になった」感謝の気持ちが強い企業が多かったとも聞いています。
それらの企業群は、旧東昭建設㈱の建設技術を支えた協力者でもあった筈です。
今、スポンサーの後ろ盾を得た新㈱東昭建設は、日光市のホテルや那須塩原市の美術館工事など、数億円単位の案件を複数受注しているとも伝えられています。
私としては、再生の裏側にあった「人間模様」について、もっと知りたいとの興味はあるのですが、何より県内の中小事業事業者が、スポンサーの資本下に置かれたとしても県内に事業所を継続維持し、従業員の雇用確保に繋がった本例は「事業再生」の好事例と捉えています。
中小企業を取り巻く経済情勢は、決して予断を許しません。
金融機関から「正常先です」と言われている企業であっても、自社の現在の立ち位置を把握しておくことは、悪い事ではないと思います。
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