こだわり
ある企業グループのスクラップ&ビルドでのこと。
半年程度の間で、子会社数社のスクラップが終了、
今回は「本丸」へ手をつけることになった。
地方では比較的大きなそのグループ、
しかしここ数年は構造的な市況の変化に追いつけず、
収益性の低さに喘いでいる。
特にグループの帰艦である「本丸」は状況が悪く、
リーマンショック以降、一刻の猶予もならない状況。
さて、グループのオーナーとの打合せ。
ここで弊社はある厳しい決断を迫るのだが・・・
その本丸、今は80歳近いオーナーが若い頃立ち上げた会社。
業歴も古く、既に老舗企業の風格。
しかし、今回の「構造不況と景気悪化の波」は乗り越えられそうもなく、
そろそろ廃業を決意しなければならない時期。
しかし、オーナーの言葉は歯切れが悪い。
その会社、正にオーナーの歴史。
言わば若い頃より苦労を重ねて育ててきた子供。
たとえ今「重病」に喘いでいても、たとえほんの小さな可能性でも、
もう一度回復し、元気な姿が見たいと思うのは親心。
まだまだ若いとはいえ、人の子の親である私にも気持ちはわかる。
でもオーナーの決断が遅れれば遅れるほど、
様々なステークホルダーに迷惑がかかっていく。
人生の先輩に「理」を説く仕事。
本当に正しいのかどうか、時々迷うこともある。
しかし、自ら選んだ仕事なのだから、もう一度トライするしかなさそうだ。
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