事業再生の現場から

コオロギ食会社が倒産の憂き目に…

先週の事ですが、徳島大学発のベンチャー企業の「グリラス」社が、徳島地方裁判所に自己破産の申し立てを行い「倒産」した事が話題に上りました。

同社は少ない餌で優良なたんぱく源となる可能性のある「コオロギ」を飼育(生産)し、主に粉末状に加工した製品の開発・製造販売を行っていたと言います。

負債規模は1.5億円くらいだったそうですが、何か「有望なベンチャー企業の灯が消えてしまった」的な寂寥感を感じてしまいます。

「コオロギが人類を救う」のを夢見て研究成果を事業に…的な起業だったと思うのですが、残念ですね…

 

経営不振に陥ったきっかけは(新聞等によると)、学校給食にコオロギ食を提供した事だったそうです。

その是非がSNSで広く拡散され、批判を受けたグリラス社には行き場を失った在庫が積まれ、遂には資金繰りの目途が立たなくなり、自己破産を選択せざるを得なくなったとの事。

日本国内では「昆虫食を未来のたんぱく源に」的チャレンジは、未だ受け容れ難いチャレンジなんでしょうかね?

国内でも例えば東北地方から中部地方の内陸部ではイナゴを佃煮にして食べる風習があります。

私もイナゴの佃煮を食べた事ありますが、まぁまぁイケると思います。

その他、長野県では川虫(ザザムシって言うんですか)や蜂の幼虫(ハチの子)を食べる風習がある地域があると聞きます。

栃木県や長野県ような海なし県では魚は貴重品ですし、身近にある一部の昆虫を食べる事で、大昔から貴重なたんぱく源として生命を繋いで来られたのだと思います。

コオロギか…、粉末なら私も食べられそうだが、ごくん(笑)

 

昆虫食とは違いますが、「ミドリムシ」を使った各種製品を開発販売している「ユーグレナ」という会社もあります。

こちらも元々はベンチャー企業で、食べ物にもバイオ燃料にも活用できるという「ミドリムシ」を前面に押し出した会社ですが、今では東証にも上場していますし、時価総額は550億円にもなる大企業になっています。

株式上場間もなくは時価総額が2,000億円を超え「ユニコーン銘柄」と持て囃された時期もありましたが、最近は少し落ち着いて、それでも時価総額550億円とは凄い会社です。

(因みにミドリムシは昆虫などの虫では無くて、ワカメ・コンブ等の藻類に分類される生物だそうです)

 

コオロギ食を牽引する「グリラス」社も、市場に登場する時期次第では「ユーグレナ」社のような未来が描けたのかも知れません。

今回の措置はとても残念でしたが、今後もベンチャー企業による「トライ&エラー」が許されるような社会であって欲しいと思います。

頑張れ、まだ日の目を見ないベンチャー達!!

 

 

 

 



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