トヨタ自動車の前期(R06.03月期)決算は、史上初めて、国内企業の営業利益が 5兆円を超えた事が注目されました。
世界最大の自動車市場である北米でハイブリッド車が順調に売れた事も大きかったと思いますが、何と言っても前期は1年間「円安」の好影響を受けられた事が、トヨタの利益を大きく底上げしたようです。
円高が続いた時期、業界2位以下の自動車メーカーが積極的に生産拠点の海外進出を進めて行く中でも、技術確保や雇用に配慮して、国内での生産拠点維持に固執して来た効果が「円安」の今、花を咲かせている訳で、単に「円安だから儲かったんでしょ」で終わらない背景がある事を、特にこのグループに関しては理解する必要があると思います。
経団連会長も輩出する、文字通り日本のトップ企業で産業界のリーダーでもある同社が、決算発表と同時に今年8月以降、定年(60歳)到来後も最長70歳になるまでの雇用延長制度を導入するとも発表しました。
従来の再雇用制度では65歳まで延長可能でしたが、技術者を中心に「技術や知識ノウハウ」を持った社員を中心に、職場で「残って欲しい」人材に声を掛けて行くという事です。
なるほど…
私も思いますが、60歳或いは65歳で「仕事から強制的に剝がされる」より、体調・体力と相談しながら70歳まで「必要とされるなら働ける」というチャンスがあるなら、対象となる社員はやる気も出て来るでしょうし、若年層の人手不足をカバーするのにも役に立ちそうです。
トヨタの決定に他の企業が追随するのか?
実質定年延長となる事で、年金支給年齢が繰り下がったり、年金支給総額自体が縮小となる可能性もあろうかと、政治家・官僚も注目している事でしょう。
70歳まで働ける場所が確保されるなら、社員の生活設計も変わるでしょうし、少子高齢化が進んでも「具体的に効果ある」施策が無かった社会にも、インパクトがある報道だったと思います。
零細企業である弊社なんかは「体力が尽きるまで…」的なぼんやりとしたエンディングイメージしか無いので、大企業の庇護を受けながら70歳まで働ける、という報道を羨望のまなざしで見聞きするしか無いのですが(笑)
実に羨ましい話です(^^)/
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