事業再生の現場から

粉飾決算で痛い目に遭えば…銀行だって学習するし

先日の事…

知り合いの税理士さんからお願いされたある企業の資金繰り維持策として、新しい銀行からの資金調達ができないものかと、中小企業融資に積極的に取り組みつつ「ノーマルな判断」を適時示してくれる某銀行を訪れました。

この会社は、既に私の所に相談が届く前に、税理士さんと相談して取引先二行に「リスケ支援」を依頼済です。

リスケという判断に至る前には、それら既存取引行に「真水の運転資金をお願いしたい」と懇願しても、メイン行はじめサブの銀行も首を縦に振ってはくれません。

資本金が脆弱なうえ(資本金100万円)、この数年黒字を続けて来た決算が直前期に「赤字」となり、債務超過額が更に増加してしまった事…、これが既存行の新規融資承認に至らない最大の要因だと、経営者も顧問税理士も分析しています。

債務超過って言っても数百万円程度なのですが( ;∀;)

ただ売上(年商150百万円)に比べると、有利子負債(銀行からの借入金)は2,000万円くらいなので、業種と粗利益水準、年商に対する債務残高から推すと、改善のやり方ひとつで、あっという間に「債務超過」は解消できそうです。

 

既存借入金のリスケは終わっていますが、全て信用保証協会付融資だという事です。

この会社からは、まだ「経営改善計画」が出されていないので、保証協会としても今後どんな道筋で弁済に至るのか、心配しているところだと思います。

思い切って既存債務+必要運転資金を保証協会付融資で新たな銀行さんが「肩代わり」してくれるようだと、今後の資金繰り予定を見ても、受注状況を見てもやって行けそうです。

そのため、冒頭の銀行さんを訪れて「相談」して来たのですが、結果はNG(取り上げ不可)との判断でした。

 

恨み言を言うためにブログに書いているのでは無くて、その際先方の支店長さんから出た

「最近は新規取引先の”粉飾決算問題”が多くて銀行業界も困っている処です。集合研修で敢えて役席者に粉飾決算対策と銘打ったトレーニングを加える等、銀行業界は蜂の巣を叩いたような状況ですよ」と言う話が気になったのです。

「銀行さんなんだから、粉飾決算なんかある程度見分け着くでしょうよ。大体怪しい勘定とか特定できるし…」と私。

「いえいえ、最近はですね。新規先ですと、過去5年くらい前からの決算で粉飾を隠していたり、酷いモノだと10年以上前からの粉飾決算が今噴き出して倒産に至るなんて言うのがザラなんです(>_<)」と支店長。

 

「かぼちゃの馬車」騒ぎどころで無いそうで、実需と思っていた融資が「赤字補填」資金であったり、厳しい対応をする既存銀行の実質肩代わり資金であったり、銀行間の融資競争が「ババ抜き」と揶揄されたりする昨今だそうで…。

信用情報会社による倒産事例でも「粉飾決算」キーワードで、昨今はたくさんの実例が検索できます。

銀行も防御に一生懸命なんですね(*_*;

 



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