金融機関等の債権者が貸出先(債務者)への融資債権等を無償で消滅させることを言います。
融資先(債務者)が借入過多の状態にあり、過剰債務の解消によって当該企業の再生が図れる場面では、一定の条件の下(経営責任・株主責任・経済合理性等を検討のうえ)債権放棄が行われることもあります。
実際に2,000年代初頭では、バブル経済の崩壊に伴い不動産投資等により巨額の債務を抱えた上場企業の事業再生を目的として、数千億円単位で金融機関が債務免除を行ったことがありました。店舗の過剰出店で巨額の債務を負ったダイエーやバブル期の海外投資や不動産投資に踊って損失を負った熊谷組などに対するメイン銀行の債権放棄が、我が国における代表例と言えます。
ただバブル経済という誤謬の修正目的で大企業に対する巨額の債権放棄が行われた結果、「巨額の借金があれば銀行も融資先を潰せない」という誤った見解や、返済見込が薄いにもかかわらず借金を重ねる「モラル・ハザード」の問題を生じさせる“あだ花”的手法とも言え、近年この方法で金融機関から支援を取り付けるのは相当困難な事だと言えます。