24. メイン行肩代りによりリスケ出口を迎えた事例
業種 | 機械部品製造業 |
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事業規模 | 年商 7億円 |
従業員数 | 28名 |
資本金 | 2,000万円 |
業歴 | 22年 |
[問題点]
- 機械部品製造業で、メーカー製品のモデルチェンジ毎の金型投資やコストダウン目的の設備投資に莫大な資金を要する業態で、借入過多に陥っている。
- リーマンショック後、巨額の赤字計上が続き「債務超過」に転落、連続赤字、リスケ実施で「破綻懸念先」に格付。
- 取引銀行は政府系含め4行体制でX社の資金繰りを支えているが、リーマンショック後の売上急減時期に、全行リスケを実施、以降リスケ継続が続くが、リスケの出口が見えない状況。
- リスケ当初は消費税や社保料が滞納していた(現在は完納)。
解決までの流れ
- リーマンショック後の売上激減期に、知人を通じて弊社と取引開始。
- 経常収支の均衡努力と銀行弁済の一時猶予により、資金繰り破綻を回避。銀行への約弁250万円は、利払のみ(利息50万円)に変更。同じく社会保険料支払や消費税を繰り延べたり、雇用調整助成金等も活用。派遣社員の契約解除、従業員の一時帰休も実施、リーマンショック後の決算は2年連続で、大幅赤字を計上。
- 経営改善計画(5年)を策定、合理化と新規取引先開拓による売上増で、5年後の債務償還期間は10年以内を目指すことを明記、金融団会議を招集して決意表明を実施。
「中小企業金融円滑化法」終了後も、リスケ状態は続いたが、X社の業績そのものは、海外志向の強かった取引先の国内回帰やリーマンショック後のリストラ実施により、利益がV字回復を遂げ、手許流動性残も徐々に回復、銀行への弁済も利払いのみから月額元金50万円、月額元金100万円へと少しずつ増額して来た。 - 同じく自己資本もリスケ時5,000万円の債務超過から4年後には1億円に回復した。弁済額の増額と自己資本の回復により、債務者区分も「要注意先」に格上げされる。
平成26年3月、メイン行から「業績改善顕著であり、他行(政府系除く)取引を肩代わりするので、弁済計画をまとめて貰いたい」との要望有。X社長と相談の上、正常な運転資金は短期借入金にまとめ、それ以外の借入金は利益償還を条件とした長期借入金とすることをメイン行に認めて貰い、同年5月、他行から借り入れていた債務1.5億円をメイン行に肩代りして貰った。 - 肩代り後のX社の月間約弁額は元利金で200万円となったが、X社は5月以降も好業績を維持しており、順調に債務償還を進めている。なお、肩代り後のX社の債務は、短期借入金1.5億円、長期借入金3.5億円となった。
スキーム図
お客様の声
X社長
リンクスと知り合うきっかけは?
商工会議所に勤める友人からの紹介でした。
銀行関係の資金繰りに強くて、いろいろ親身になって相談に乗ってくれるということで、取り敢えず話を聞いて貰おうと思って、会社に来て貰ったのです。
リンクスに依頼する決め手となったのは?
当時は「世界的な不況が始まった」と報道されていましたので、正直リンクスさんにお願いしてもこの窮状を乗り越えられるのか、とても不安でした。
従業員に給料を支払うと、毎月500万円以上も赤字になるのです。
会社を閉めることも考えましたが、「まずできることから始めましょう!資金繰りは何とかできます。」と私のやるべきことをシンプルに絞ってくれたことが有り難かったです。
銀行や取引先に相談できないようなこともリンクスさんには相談できました。
それが決め手だったと思います。
リンクスに依頼して良かった点は?
外部に相談できる相手ができて、社長としての私の負担が大きく減りました。
銀行や税務署・年金事務所や取引先など、資金繰りが一時苦しかった時期には、多くの関係者の理解と応援が必要でした。こういった関係者との交渉の席に同席していただいただけでなく、相手が納得せざるを得ないような事前資料をきちんと用意して貰ったので、関係者の理解と支援が得られたのです。私だけでは、こんなことはできませんでした。
業績が回復し出し、資金繰りに余裕が出てきても「手許資金が1億円を超えるまではリスケを銀行に認めさせる」と、返済を急ごうとする私をコントロールしてくれました。
そしてリスケの出口を考えよ、と言うメイン行に、他行融資を肩代りさせる提案をして、それを実現させてくれました。元々の元利金返済金額より約弁が減ったし「正常な運転資金」も認めて貰ったし、会社の資金繰りは見違えるように良くなりました。
振り返ってみて一言お願いします。
紹介してくれた友人に「本当に助かったよ」とお礼を言いに行った時、「何も知らない社長連中を紹介してあげてくださいよ」と逆に言われました。
確かに「専門家に任せた方が時間も費用も結果も満足できる」ことを改めて知らされました。
リンクスさんには「安定した経営継続」をテーマに今後もお付き合いをお願いしていますが、事業再生に関する知識や経験をより多くの中小企業経営者に届けて貰いたいと思います。