21. 借入返済ストップと同時に設備投資支援を受け再生を目指す事例
業種 | 食品加工業 |
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事業規模 | 年商 7億円 |
従業員数 | 25名 |
資本金 | 3,000万円 |
業歴 | 45年 |
[問題点]
- 業界環境の変化による利益率の低下が続いたことと、設備投資時に一時的に要した関連費用が想定外に膨らんだことで借入金が増加、設備稼働率も計画を下回り3年連続で赤字決算を計上中。
- 業界他社と比べ従業員数が多く、収支均衡させるためには、社員のリストラと外注費削減が必至。但し長年慣れ親しんだ社内体制に大ナタを奮うことに社内からの抵抗大。
- メイン行からは、借換資金(返済金額と同額の融資)支援を継続しているが、赤字決算が止まらず、納得できる改善策を実行できなければ、資金支援停止も示唆されている。
解決までの流れ
- U社のメイン銀行からの紹介で同社を訪問、U社長と面談。メイン行の考え方(抜本的な改善計画策定と実行)をU社に提示、赤字の根本原因解明と打開策、合理的な改善計画を策定して調整機関(中小企業再生支援協議会)の認定を受けたうえで、今後の資金需要に対応して行くとの方針が示された。
- U社は自社工場跡地を商業施設(賃貸物件)に切り替える際に、一時的に工場・倉庫を分散したことが予想以上の費用負担となり赤字に転落、同じ時期から始まった売上減少・製品利益率低下に歯止めが掛からなくなり、以降直近決算で3年連続の赤字を計上している。
- U社と契約後、直ちに工場別・部門別、製品別に損益分布の調査に着手。売上規模、製造部門に比べ管理部門に多くの人員が配置されていることとその必要性について調査、経営陣・メイン行に調査レポートを提出、調査結果を基にU社経営陣と合理化に向けて具体的作業を進めることになった。
- 約6か月で、工場の統廃合や社員の配置転換(間接部門人員の削減)、外注業務の内製化計画をまとめ、賃貸物件(工場・倉庫)の返却や社員の現場シフトを進めた結果、外注費の60%削減に成功。前後して、それらを「経営改善計画」として全金融機関、中小企業再生支援協議会に提出、協議会主導で「債権者会議(バンクミーティング)」を開催、U社の資金繰り支援について金融支援の合意取付に成功した。
(金融支援の内容→全行1年間の約弁停止、メイン行による設備投資資金4,000万円の実行) - 取引先からの新規受注と合理化投資を目指して製造ラインにロボットを導入、以降、売上高が18%、営業利益が40%以上向上した。内部留保の充実→資金繰りの改善→銀行弁済の正常化に向けた階段を昇り始めている。
スキーム図
お客様の声
U社長
リンクスと知り合うきっかけは?
メイン銀行の紹介で引き合わせていただきました。
毎年のように赤字が続き、銀行からも「抜本的な対策を立てないと融資もできなくなってしまう」と再三改善計画を求められていたのですが、自力ではできず、他の再生系コンサルの話も聞きましたが、すっきり来ず、今日まで来てしまいました。
リンクスに依頼する決め手となったのは?
リンクスさんが銀行の紹介であったことと、皆さん足銀さんのOBということで安心感がありました。
私どもも地元でずっと家業を続けて来ましたが、足銀さんにも長くお世話になって来ていますから足銀さんのOBなら間違いないだろうと思いました。
リンクスに依頼して良かった点は?
外部コンサルの力を借りた形で、管理部門の社員の反撥を抑え大リストラを行うことができました。
義理や見栄でなかなか削減することができなかった借工場や倉庫の賃借料や外注費、友人からも指摘されていたけど改善できなかった管理部門の人員削減等、リンクスさんと協力しながらやって来ることができました。
私達だけでは、長く家族同然で一緒にやって来た「身内意識」みたいなものや遠慮があって言い出し難いこともあるのですが、「外部コンサルが他社と比べた目線で指摘しているのだから…」と説得すると案外良く理解してくれたりと非常に効果がありました。
赤字の原因を調査する一方、減少した売上・利益の改善策として製造ラインにロボットを導入して合理化と売上アップの道筋を着けていただいたことにも感謝しています。しかも銀行を説いて、従来借入返済をストップしたのに「この設備が無いと当社は浮上できない」と設備投資の融資まで引き出していただきました。
メイン行も言ってますが、通常では考えられないことだと思います。
振り返ってみて一言お願いします。
私達が目指すべく方向性と出口を明確に示していただけたことがとても有り難かったです。
まだ改善途上ですので、リンクスさんには引き続きご指導をお願いしています。毎月の試算表で売上・損益が改善していること、同じく資金繰表で翌月繰り越される現預金残が徐々に増えて行っているのを見ると、私自身大いにやる気がみなぎって来ます。
リンクスさんは「再生の実務家集団」と名乗っておられますが、まさにその通りの皆さんです。