18. 財務リストラにより資金繰り・損益を改善した事例
業種 | 貨物運送業 |
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事業規模 | 年商 5億円 |
従業員数 | 18名 |
資本金 | 1000万円 |
業歴 | 43年 |
[問題点]
- 業歴古くバブル期に購入した不動産簿価が高く不良資産化している。リーマンショック後激減した売上も回復基調にあるが、メイン銀行からの評価低く、クレジットラインを決められ毎月借換が発生する等資金繰り多忙。
- その他にも売掛金や棚卸資産の一部に不良資産がある等B/Sが重く、資金効率が非常に悪い。メイン行の借入金利も高止まり。
- 金融債務が300百万円を超えるが、不動産売却による損失確定を恐れ経営者に財務上のリストラ着手の勇気無。
解決までの流れ
- 取引先社長の紹介でR社長と面談。財務DD(資産査定)を実施、R社が実質債務超過で無い(資産超過会社)ことを確認。
- 経営陣(社長、後継者の長男)と話し合った際、「取引銀行は既に不良資産を時価で査定して当社への融資スタンスを決めていること」「仮に不良債権全部を処分して損失確定しても資産超過であること」を経営陣に説明、メイン行貸出金利の見直しやクレジットラインの柔軟な運用を迫るためにも積極的な財務リストラを進めるべきことをアドバイス、経営陣の了解を得た。
- まず有効活用が図れなかった倉庫を外部に売却、100百万円をメイン行に弁済した。この不動産売却により売却損54百万円を計上したが、当期は営業利益好調で、決算最終利益は16百万円の赤字で収束した。倉庫要員削減や固定資産税・火災保険料等々の削減で、来期以降年間5百万円の経費削減効果が見込まれる。
- メイン行Vに差し入れていた不動産入担を条件に、新規取引を望んでいたY行から50百万円を新規調達V行借入金を返済した(Y行による肩代り)。Y行の金利条件は年利1.5%でV行の半分以下だった。
- メイン行Vに適用金利の引下げを交渉、全貸出の金利を1.875%に引き下げて貰うことで合意した。不稼働資産売却とY行肩代り、V行金利引下げでR社の年間金利負担額は4百万円余軽減された。
- 売掛金担保による資金調達方法(ABL)も活用、信用保証協会付でY行と新たなクレジットライン枠を締結することとなった。それを知ったメイン行Vは、従来のクレジットライン枠の見直しや当社リストラ資金や設備投資資金等資金需要発生時の支援を約束する等、従来の対応を大きく変え改めてR社長の経営手腕を評価してくれた。
スキーム図
お客様の声
R社長
リンクスと知り合うきっかけは?
取引先の社長から紹介して貰いました。
従来ほとんどがV行一行取引で商売して来ましたので、足銀さん出身のリンクスさんとなかなか出会う機会がなく、友人が以前「再生のプロがいる」と言っていたのを聞いていたのでリンクスさんに繋がることを期待して紹介をお願いしました。
リンクスに依頼する決め手となったのは?
息子とも話し合っていたので、最初からリンクスさんに入って貰おうと思っていました。
V行も担当者や支店長が変わる度に私と面談し、私もできるだけ銀行のいうことを聞こうと思っていたのですが、最近の対応は「潰れるなら潰れても良いですよ」的な対応があまりに露骨でこのままでは資金も底を衝くのも時間の問題と経理から進言もあって、実績があるリンクスにどうやって話を繋いで貰うか、そんなことを考えていました。
リンクスに依頼して良かった点は?
決算書を見ていただいて1時間くらい質問があり、初回面談で大まかな方向性を示していただきました。
私達だけでは決断に勇気の要ることもあったのですが、「最後まで面倒をみる」と仰っていただけましたので、思い切って不動産処分等に舵を切りました。そこを起点として、リンクスさんが次から次へと手を打っていただき、それにV行、Y行が事前の見込み通り見事に反応してくれ、思った通りの結末を迎えました。
銀行員出身で金融・財務のプロであることは知ってましたが、ここまで鮮やかにやるんだ、と本当にびっくりしました。
振り返ってみて一言お願いします。
リンクスさんにお願いする前は、V行の締め付けが厳しく、もしかすると後3か月もそのままだったら廃業を決意していたかも知れません。
このところ東日本大震災の復興需要やアベノミクス効果もあって、物流は仕事が戻って来たのです。ただその辺りの先行き見込みや過去の問題をどう処理して行くか、それを銀行さんにどう理解して貰って「資金繰りに困らない会社」に生まれ変わって行くのか、全く方法が見つかりませんでした。
リンクスさんの機能は、中小企業に絶対役に立ちますし必要なものです。
私も言われましたが「ギリギリまで我慢しないで」まずは相談してみるべきだと思います。