事業再生の現場から

米中貿易摩擦、実態経済への影響

GW明け…

昨日に続き、今日の日経平均株価も300円を超える大幅続落で幕を閉じたようです。

米中協議が10日に行われる予定のようですが、それを前にしてアメリカ側が先制パンチを繰り出し、日本円にして22兆円超の対中貿易取引に掛かる関税率を選りによって、5/10から大幅引き上げると表明したからです。

貿易取引の一層の縮小とそれに伴う需要減少により、企業業績に下ブレ圧力が掛かると見越した投資家が早々に株式市場から退場しようとしています。

まぁ市場は市場に任せておけば良いと思いますが…

 

私達が困っているのは、日本の大切な輸出品目である自動車や電子部品等々の部品加工を担っている中小企業の業績に、「黄信号」が灯り始めていると思われる事象が目に着き始めている事です。

今思えば、これは昨年秋ファーウェイ(華為技術)副社長がカナダで拘束されたニュースが入った辺りからその兆候があったようなのですが、主に半導体製造装置用の部品を加工する工場や民生用電子部品(スマホやデジカメなども含む)製造業の経営者から「受注残が急速に減少している」と言う声に接する機会が増えました。

それから半年…

同じ経営者から「ほぼ受注残がゼロになった、2週間後の製造計画が立てられず頭を抱えている」という、悲痛な声も聞こえて来るようになりました。

そこに今回の「関税引き上げ」宣言です。

株式市場はいち早く反応しましたが、実態経済に与える影響も今後ジワジワ浸透して来るでしょう。

前述のとおり、既に経営が深刻な事態に侵されつつある事業者も多いのでは?と心配していましたが、今後更に、仕事量が減少するという事象に見舞われる中小企業が続出するものと思われます。

 

元号が代わり「令和」という新しい時代に期待する人々が多い中、いきなり「冷や水」を掛けられたような出来事でしたが、米中協議の行方が世界経済を揺るがす重要な要素である事は間違いありません。

アメリカが風邪をひいたら日本は肺炎になっちゃう…

うまく着地して欲しいところですが。

 

 

 

 



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