事業再生の現場から

飲食店、土木建設業、貨物運送業…

この他にも、殆ど全ての業種に当てはまる、昨今の経営者“最大の悩み”は「人材不足」であろうと思われます。

特にシステム化でき難い「現場」を持つ業界・業種の経営者からは、人材不足と人件費高騰、それに加えて今月から始まった「働き方改革」の一環で義務化された有給休暇取得という“足枷”に対して、数多くの怨嗟の声が耳に入るようになって来ました。

ある社長さんは言います。

「うちみたいな土方(土木建設業者)は、幾ら募集したって人なんか集まって来ないのよ。昔は暴走族上がりでヤンチャしてたような子が、家族を養うため体一つでやってやろうってんで、土方の成り手にもなってくれたりしてたんだけど、今の子はそんな気概なんて無いもの…。親だって自分の子供に土方なんかさせたく無い訳よ、ちゃんと大学を出してサラリーマンにでもなって貰った方が安心だしね。俺だって、自分の子供に(この仕事の)跡を継げって言えないよ、まぁうちの子供は勉強できないから、仕事が順調に行ってさえすれば、自分でやりたいって言うかも知らねぇけどなぁ」

ふーんっ、なるほど。社長もそんな風に考えてるのね。

「ベトナム人の研修生を使って4年になるけど、これからは研修生制度もどうなるか分からないと思っていた所に新法(改正入管法?)ができたって言うんで、うちの協会(建設業協会)も対応に大わらわよ。うちは元請先から誘いがあるんで、来月ベトナムに行って(就職希望者と)面接するんだけど、今度は大卒のエンジニアを採用する予定だよ。日本語も困らないレベルらしいし、設計部門は人手不足で毎週休日出勤が続いている状態だし、CADは共通だから戦力になって貰えるものと期待してるんだ」

さらに曰く

「ある先生(経済学者？)が言ってたけどさぁ、人手不足って言うけど、それを創り出したのは俺たち自身なんだから、そこを改めれば良いんじゃないのって。コンビニで24時間営業義務がどうのこうの、セブンイレブンで揉めてたじゃない、あんなの俺たちがガキの頃は24時間営業なんて無かった訳よ。正月だって元日や三が日は商店も休んでたわけ。誰も365日24時間、年中無休で営業しろって頼んだ訳じゃねーのに、勝手にそんなサービス作って、今更“人手不足でスミマセン”なんてやってやがってよぉ。馬鹿じゃねえの、過剰サービスなんだから、そんなのとっとと止めちまえば良いんだよ。ガキやコギャルが夜遊びできなくなるし、治安も良くなんじゃねぇか」

なるほど卓見

過剰サービスを止めれば人手不足も自然と解消ね…

仰る通りだと思いました。