サラ金など貸金業者が貸金業法に基づく「総量規制」の制限を受けるのに対して、銀行系カードローンはそのような規制を受けることが無く残高を伸ばして来た話を前回しました。
銀行系カードローンの残高は、2010年当時は 3兆円を少し上回る水準で推移していたようですが、2014年くらいから残高が急増、年間10数パーセントの伸びを記録する等の成長を見せ、2017年度末には 6兆円を超えたと報じられました。
金融緩和が続く中で、貸金業界が手を出せない中「高利・小口分散」で運用できるカードローンは、銀行業界にとって、効率の良い「おいしい」商品だったのだと思います。
各グループ・各行が、カードローン枠の拡大に走り(例えばバブル崩壊後のカードローン枠はせいぜい100万円/人くらいのものでした)、その貸越枠(利用可能枠)獲得を巡って熾烈な競争が行われていたのです。
私なんぞも「お付き合い」で、某信用金庫さんから300万円のカードローン枠を頂戴しましたが、これは当初100万円のカードローンを契約したものが1年後に「特に支障が無ければ自動的に貸越枠を300万円に増枠します」と案内ハガキが届いただけで、いきなり300万円の貸越枠を保有することになったような次第です。
他行についても、ほぼ同じような経緯でカードローンを複数所持する羽目になっています(笑)
でも勢いに乗って残高を伸ばして来た銀行系カードローンですが、一昨年辺りからその成長が鈍化しています。
「総量規制」が貸金業業界に求めていたのは、消費者の「多重債務者化」を防止する事でした。
ですが「おいしい」商品を前に、如何に上品な銀行業界と雖も「武士は喰わねど高楊枝」を決め込む事はできませんでした。
前述のように物凄い勢いでカードローン残高は積み上がり…
挙句の果てに心配していた「多重債務者」が続出する事になり、一時減少していた個人の自己破産者がこの数年急増し出したのでした。
慌てた金融庁からの指導もあり、銀行業界を挙げての「自主規制」と言うことで、カードローン審査は極端に厳しくなってしまいました。
昨日の例で挙げたような、ダメだと分かっていても会社の運転資金に家族全員のカードローン枠を充当するような経営者にとっては、まさに青天の霹靂のような事態が起きている訳です。
相続税対策でアパートローンを活用した不動産関連融資も、様々な問題が表面化する中、金融庁の指導を受けた「自主規制」により、ブームは収束しつつあるようです。
そういうのに踊らされちゃダメなんですよねぇ、この道はいつか来た道…繰り返される悲劇
何とも罪作りなカードローン狂騒時代でしたね。もはや過去の話か…
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