事業再生の現場から

決断の連続…経営者の苦悩

お早うございます。

今朝は生憎の曇り空…「春に三日の晴れ間なし」と言いますが、昨日のような気持ち良い薫風が3日も続く事は、この時期なかなか無いようです。

それでもスギやヒノキの花粉飛散がようやく収まって来たようで、長く花粉症に悩む私としては、GWを控えたこの時期、気候も良いし花々は百花繚乱の様相ですし、過ごし易くご機嫌な日々を送っています。

 

そんな中ですが、中小企業の経営者はいつも悩んでいます。

昨日訪れた事業所の社長さんは、機械部品の切削加工を行っている工場を経営しています。

月例の役員会に出席して来ましたが、各種経営指標を分析して行くと、ある部品加工を担うラインの生産性が1年前に比べて目に見えて落ちていました。

既に、この傾向は3か月前くらいから数値に顕われていたので、原因は大凡理解しているつもりです。

 

生産性低迷の最大要因は、この生産工程を司る「生産管理担当者」の入れ替えにあります。

1年前の担当者が、家庭の都合で奥さまの実家の家業を継がざるを得なくなり退社、生産工程をコントロールする担当者を社内からコンバートする事になったのです。

前担当者が偉かった(優秀だった)のは、彼が退社しても3か月程度は彼の「遺産」が効いていて、その製造ラインがきちんと機能していた事でした。

 

ところが、社長が見込んで(実際には他に適材が無く)登用した現担当者に代わって、半年が過ぎた頃から目に見えてこのラインの生産性が落ちて来ていたのです。

数字で見ていた私は、このように前担当者が退職した後の変化に気づくのが遅れましたが、その判断には、社長の「〇〇君は良くやってくれている、××の穴を感じさせない仕事っぷりだ」と仰る言動を信じ込んでいた事が大きかったようです。

 

でも数値はごまかせません。

前担当者が退職して半年したくらいから、前述のように生産性が落ちて来ています。

原価・特に労務費(人件費)は、寧ろ現担当者になって増加しているのですから、売上減・経費増で、忽ち部門別損益で他部門の黒字を食い荒らす「お荷物」ラインとなってしまいました。

それを数か月前から指摘、「社内コンバート」なり「社外からの人材獲得」なりの手を打たなければならないと、言い続けての昨日の役員会です。

 

社長も学卒以来、当社に奉職してくれている現担当者に感謝し、目に入れても痛くないくらい可愛がっています。

でも、これは経営です。

経営判断に私情を挟み込みすぎると、多くの従業員に迷惑を掛ける事にもなり兼ねません。

社長の仕事は「決断の連続」です。

 

この話は次回に続けようと思います(((^^;

 



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