事業再生の現場から

地銀は生き残れるか⑭

最近、金融機関担当諸氏と話をする中で「事業性評価」というキーワードを耳にする機会が増えて来ました。

金融庁が、金融機関(特に地銀を中心とする地域金融機関)による過度の「担保主義」に凝り固まった「保守的」な審査姿勢を改め、資金需要のある中小企業の技術力や将来性などを「適正に」評価したうえで、融資の可否を検討するよう求めているのが、その背景にはあるようです。

地銀以下の地域金融機関の数が相変わらず多すぎる「オーバーバンキング」の状態にある事は、監督官庁である金融庁にとって「安定した金融行政」を維持するにも、克服すべき課題に映るのでしょう。何せ全国を基盤とする旧「都市銀行」は、30年前13行だったのが、現在は「メガバンク」として3行に収斂されています。

ところが地銀は第二地銀を合わせると、全国に105行も残っています。

市場の縮小で、生き残りが厳しくなって行く銀行も続出すると見られています。

 

金融庁は、地銀を対象に「事業性評価融資」の実態調査(ヒアリングベースのようですが)を始めるようです。

東京一点集中が進み、地方経済の空洞化が現実のものとなる中、一定のエリアを事業基盤とする地域金融機関の事業基盤が削られて行くことは、避けられないと思います。

従来の融資姿勢(担保主義、リスク回避・保守主義)では、金融機関の収益減少に歯止めを掛けることはできないし、そもそも景気対策のため「金融緩和」を進めようとする政府の政策方針に協力しようとしない銀行なら、「選別」されても仕方ないだろうと考えられているのでしょう。

 

地銀受難の時代を各行がどう乗り切って行くのか…

合従連衡の次のメンバーは???

興味は尽きませんね

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です