都道府県が公表する「基準地価」が発表されました。
国交省が公示する「公示価格」、税務署が公表する「路線価」と並んで、全国の地価を計る重要な指標ですが、全国的に見ると地価は下げ止まり傾向にあるものの、需要が多く上昇が続く都市部に比べて、人口減から需要が増えず地価下落に歯止めが掛らない中山間部との「資産格差」が続いていると言います。
東京・名古屋・大阪の三大都市圏が地価反転したのはもう4~5年前の話だと思いますが、今年は札幌・仙台・広島・福岡などの地方中核都市の地価上昇が目立っているとも伝わって来ています。
外国人観光客の来日数増加で、ホテル等宿泊施設用地の需要が増加しているそうです。
国内外の旅行者にアピールできる観光資源の多い地方都市においては、そういった需要を取り込んで行くことが、地価対策はもちろん、雇用や人口維持にも良い影響をもたらす「起爆剤」というか「種火」になりそうです。
一方、都市部の「生活を支える」中山間部は疲弊しています。
元々中山間部は「都市部人口」の源であったし、生産する農業生産品は都市人口の胃袋を満たして来ました。また中山間部に人々が住むことによって、治山や治水が進み、都市部に住む人たちは水不足に陥ることも無く、衣食住・文化的な生活を楽しむことができました。
中山間部に住み続けたい人達の高齢化が全国的に進んでいます。
かつて輸出で日本経済を支えたメーカーは、工場を海外に移転してしまいました。
中山間部の社会を支えた「兼業農家」の働き手、例えば月~金は工場勤務をこなして、土日や連休に農作業をする壮年~若者達ですが、工場の消滅により、安定したサラリーを失ったのです。
仕事を求めて他の工場がある地域に引越したり、仕事を求めて都市部に移転する家庭も少なくありません。慣れ親しんだ土地から離れたくなくても「経済的な理由」から、離郷せざるを得ない事例が数多くあると思われます。
かくして地方の土地は需要を失い地価は未だ反転せず…という状況が続いています。
膨張する都市圏と高齢化・人口減が急速に進む地方の格差は開く一方ですが、解決策もあるんだと思います。
税制メリットで企業を地方移転させたり、起業家に特例措置を講じたり、その気になればやれることが…。仕事がない事には人は生活できず、その辺りをリーダーがきちんと差配できれば…
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