事業再生の現場から

地銀は生き残れるか⑦

昨日の続き…

金融庁が「長期運転資金貸出を短期運転資金貸出へ」とぶち上げたのは、「中小事業主にとって負担となる担保物件の提供に頼らない融資審査」を金融機関に求めるものであり、過度の「保全主義」から脱却した、自己責任による「資金運用能力」向上を業界に突き付けたものだと思います。

資金の運用手段が、国内貸出業務や国債等の運用(利回り急低下中ですが)以外にも豊富なメガバンクなら、今回の方針転換にも動じることはないと思いますが、運用手段が限られた金融機関には相当な痛手となりそうです。

無論、短期貸出だからと言って「担保提供を要求する」ことを禁止することはできません。ですから金融庁の方針・指針はあっても「信用扱いの短期貸付」が、バンバン実行されることは無いと思います。

ですが、監督官庁に弱いのも金融機関の特徴です。

定期的に信用貸出残や長短貸付金(運転資金)の残高推移提出を求められた結果、当局の指針に従ってないことが明らかになれば、これは大問題です。よって、ある程度の数字は出さざるを得ないでしょう。(アリバイ作りとでも言うのでしょうか(笑))

 

日銀のマイナス金利政策導入に続く、融資姿勢の転換政策…

収益力の脆弱な金融機関は、経営不振に陥るところも出て来るでしょう。

市場の淘汰が進み、合従連衡が更に加速する可能性もあります。

金融庁の目論見は、案外その辺りにあるのかも知れませんが…。

 

 

 



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