お早うございます。
倒産・再生ネタはブログ読者の反応が熱く、比較的身近な話題には気を付けているつもりですが、昨日の下野新聞に「宇都宮グランドホテルを運営する㈱陽南荘宇都宮グランドホテルが、ホテル敷地と建物を宇都宮市の丸井物産㈱(不動産業)に売却」との記事が掲載されました。
年配の方には「陽南荘(ようなんそう)」の名で親しまれている宇都宮グランドホテルは、元々皇族(秩父宮妃)の別邸として作られた建物を活用(同社の会社概要に掲載中)して創業したという由緒ある施設で、ここで結婚式を挙げるのは宇都宮市民の憧れ(私の先輩談)なんだそうです。
その宇都宮グランドホテルも、施設の老朽化や他社との競合激化の波を浴び続け、10数年来の業績不振が続いているとの噂は、私達の業界にいればよく耳にする話でした。
新聞によると売却価格は「18億円くらいか?」とされています。
登記簿謄本によると、メイン足利銀行の根抵当権設定額は20億円です。
だとすると設定金額に対する売却額は90%に達する取引ですから、銀行もそれなりに満足(或いは全額回収したのか??)する結果だったのではないでしょうか。
驚くのは買主となった丸井物産の資金力で、この18億円と言われる買い物をするのに、購入物件(宇都宮グランドホテルの土地・建物)には抵当権が設定されていません。同社はキャッシュ(自己資金)で物件を買ったものと推量されます。
新聞によると丸井物産は、ホテルの運営会社として事業を続ける陽南荘宇都宮グランドホテルから家賃を徴収せず、固定資産税だけの支払を求める形で同社を支援するのだとか。
新聞記事を額面通りに受け取れば、グランドホテル側にとっては願ってもない条件で「スポンサー」を見つけたことになると思います。まさに白馬の騎士(ホワイトナイト)の登場といった処でしょう。
ただ丸井物産側も家賃はいただかないとは言っても、18億円が本当なら、その資金は年利5%で運用しても9,000万円の収益を生み出せる大切な「経営資源」です。
両社の取り決めに、新聞等で明らかにできない事項があるのかないのか、外野としては知る術もありませんが、両社の蜜月関係がどこまで続くのか、暫く注視する必要があるようです。
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