事業再生の現場から

融資の5原則→公共性の原則

今週はずーーーーっと大雨が続き、特に栃木県には「大雨土砂災害特別警報」まで出され、避難勧告や避難指示が出るなど混乱が続きました。

なんでも50年に1度の大雨が降ったとのことで、確かに、道路の一部が冠水して通行止めになっていたり、普段は申し訳程度にしか流れていない河川の水が、堤防ギリギリの水準まで水位を上げていたり、ちょっと普段では見られない光景が拡がっていました。

私、昨日は朝から東京の予定だったのですが、朝5:00の時点で道路の一部が冠水、車が立ち往生しそうな状況を見て、取引先にお願いしてスケジュールをリスケしていただきました。仕事の組み換えが必要になり、恨めしい限りですが、良い判断だったと思います。

 

さて拙著「社長!御社は銀行からまだまだおカネを借りられますよ!」でも紹介していますが、金融機関が取引先から借入申込みを受け融資を検討する時は、「融資の5原則」を念頭において審査・議論し、取扱いの是非を判断するものです。

詳細は本を読んで頂きたいのですが(笑)、5つの原則のうち、良いタイミングなので「公共性の原則」について考えてみます。

 

「大雨土砂災害特別警報」が出されるほど危険が迫っていた昨日の県内ですが、私は県内某市で長く土木建設業を営むA社長に電話をしました。

A社長はすぐ携帯電話に出てくれましたが、氾濫が懸念される市内を流れる川の堤防に立って、その様子を見ているのだと言います。

前日は自治体からの要請が来る前に従業員を動員して土嚢を作り置きしておいたそうですが、予想通り土木事務所から河川警備の要請があり、ダンプカーと重機で現場に駆けつけ、土嚢積みを円滑に済ませたそうです。それも夜中の2時頃の話だそうで、それからずっと社員と交代で警戒を続け、市民の安全を守り続けていたのでした。

 

金融機関がいう「公共性の原則」とは、融資は社会の発展に役立つものであるべきである、とする考えです。

A社(長)のように、どんな地方に行っても、土木建設業者が1社や2社はあります。

数十年に一度しかない災害も、30年後に起きるのか、或いは明日起きてしまうのか、これは分かりません。

しかし数十年に一度しかない災害が起きた場合、重機や技術者を保有する「土建屋さん」がいなければ、道路や河川の速やかな復旧工事は叶いません。被害を受けた住民の生活基盤が、脅かされ続けることになります。

今回の大雨騒動とA社長の話を聞いて、「本に書いたことがホントに起こった」そのタイミングの良さに、少し驚いています(((^^;)

今度A社長と一緒に銀行廻りをする時に、今回の素早い対応と活躍を担当者に耳打ちして来ようと思います。(融資)稟議書の「特記事項」に書き入れるプラスポイント材料が増え、担当者も喜んでくれるでしょう(笑)

 

 



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