事業再生の出口(本来は入口と言うべきなのでしょうが)として、当該企業や事業の買収・売却や他企業を巻き込んだ再編は、非常に有効な手段です。
いわゆるM&Aと呼ばれる問題解決の方法です。
企業を買収する場合、株主が保有する株式を取得する方法で「経営権」を取得し、新たな経営者の下で「ヒト・モノ・カネ」が投資されます。
買収する側では、既存事業とのシナジー効果を期待したり、或いは今まで進出を目指していた事業へ一足飛びで飛び込めるメリットを期待して大金を投じることになるのです。
また事業を買収する場合もそうです。
この場合、株主から株式を買い取る方法では無く、買収する事業そのものの価値を量り、事業そのものを「買い取る」取引となります。いわゆる「事業譲渡」と呼ばれる取引です。
この2か月間で、上記のようなM&A成立の話を3件聞きました。
うち1件は弊社が絡んだ話なので、この件についてコメントはできませんが、耳にした2件については多少のお話をしても良いのかなと思います。
一件は、後継者が無く業績低迷が続く中、数十人の従業員の雇用を守るために、同業他社にオーナー持ち株の全部を売却したケースです。
リーマンショック後低迷していた被買収企業の業績と買取企業の業績が、円安進行に伴う製造業の国内回帰により共に改善して「M&Aを成立させるなら今しかない!!」との結論に至ったとのことで、代表取締役だった前社長は会社の全ての役職を降り、株式売却代金を退職金代わりにハッピーリタイアとなったケースでした。
もう一件は、海外で製造した商品を国内販売店に取り次ぐ商社のM&A案件です。
こちらは事業譲渡方式で、従業員+販権を有償で買取会社に譲った形だそうですが、買い取ったのは、商社ブランドで海外生産を行っていたメーカーで、今回の買収により製・販一貫体制が整ったのだそうです。
いずれも元々は、後継者不足や赤字累積等の問題があり、すぐに「嫁入り先がみつかる」とは正直思えなかった案件だったのです。
がっ、現実には共に最良の伴侶を射止め、元のオーナー・社長さんは共に大満足の結果に顔色も良く、10歳も若返ったようでした。
二人とも「従業員の雇用」のため、多少の損益悪化に目をつぶって事業を続けてきた感の強い社長さん達です。
私も結果を聞いてホッとしました!(^^)!
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