昨日に続いて…。
件の担当者から次のようなことも聞きました。
「トップが収益って厳しいんで、自分(融資管理担当)にやれる事っていうので、“償却債権”の掘り起こしに努めているんです。たまたまですが、3月中に数百万円単位で償却債権取立益を計上する事ができましたよ」と活躍の弁も。
「おーっ、それは凄い事じゃない。担当者の腕が良くないとネ、償却債権なんて回収できないからねぇ」と私。
私は、不良債権回収を長く担当していた事もあるので、その苦労が良く分かるのですが、確かに彼の言う「償却債権」を回収する事は非常に大変な事で、相当な努力&運にでも恵まれなければ、その恩恵に預かる事は無いと思います。
それを“数百万円単位”で実現されたのですから、社長賞ものですよ、きっと。
金融機関も一般事業法人と一緒で、決算期には不良債権の「貸倒処理」を行います。
今時は、大手行を中心に、不良債権となった貸出債権をサービサー等外部に売却(譲渡)する事例が多くなったようですが、元々は、不良債権先の状態によって有税で貸倒引当金を積み立て将来の不良債権処理に備える、というやり方が金融機関の不良債権処理の王道でした。
不良債権先が営業中だと、最終的な不良債権処理(無税償却によるオフバランス)が、認められないのです。
そのため無税償却ができるようになるまでの間、貸倒引当金を引いて来たるべき未来に備える、その引当準備が整った銀行ほど「優良銀行」だと言えました。
倒産や廃業・法的清算等によって事業そのものが無くなり、連帯保証人も無資力・無収入になった事を税務当局に証明する事ができて初めて、不良債権を“償却処理”できるようになるのですが、金融機関自らが「この債務者・保証人からは、回収できない」事を認めた債権だけに、それから何年か過ぎた後、その関係者から回収するなんて、とんでもなく難しい事なのです。
多分償却債権になると「消滅時効」が成立した債権が殆どでしょう。
そんな「死んでしまった債権」を回収して来たのですから、それも数百万円も…。
件の担当者が、これをきっかけに「柳の下のドジョウ」を捜して、躍起になる気持ちも分かります。
「それにして償却債権取立益ねぇ、久し振りに聞いたね、そのフレーズ!! 回収担当者にとっては勲章みたいなもんだからなぁ」感嘆する私に
「そう、村上さんならその価値が分かると思いました!(^^)! でも今のうちじゃあ、その価値も分からない奴がふんぞり返っているんですよ」
あららっ、組織&上司の悪口は、私には関係ないんで今日はこれぐらいで…。
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