結局社長さんご夫妻は私の提案を受け入れ、近く従業員全員を集めて全体会議を行い、そこで社長が示す「改善案」に賛成してくれるかどうかまで、社員さんの意思を確認することになりました。
給与を巡っては、大企業の労組が春闘(賃上交渉)でベースアップを勝ち取った等々、賑々しい話題も出てますが、私達の地元や中小企業においては、とても賃上げどころのムードではありません。
事業会社が存続して行くには、売上-原価-経費=営業利益プラスが必要で、営業利益マイナスが何年も続くようなら、その事業自体、基本生き残って行けません。
当社は、販売(生産)量や単価引き上げが簡単に行くような業種で無いため、自然、原価(材料費・労務費・外注費等)や経費の見直しにも着手せざるを得ません。
人件費(労務費・給与等)にもメスを入れる必要がありそうです。
「長く当社で働いてくれている社員達の生活を脅かす訳には行かない」と、社長さんご夫妻は「聖域」扱いしそうな勢いですが、現実はそれを許してくれません。
なにせ銀行債務がデフォルト(債務不履行)、自宅も競売に掛けられた身なのです。
甘いことは言ってられない筈です。
取り敢えず、全体会議に向けて従業員向の「再生計画」を作ることにしました。
一方、資金繰り改善のため、銀行等から求められて払ってきた残債務への弁済は停止します。
税金は別ですが、今更金融機関宛の返済を進めた処で、社長さん達の気は済むのでしょうけど「経済的な合理性」は、殆ど考えられません。
従業員の給与に上乗せする原資とした方が、よっぽど賢い選択です。
さてとっ、あとは社外に修行で出ている息子さんを交えてのミーティングが必要ですね。
旧債務の連帯保証人になっていない彼の動向が、当社再生のカギになります…。
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