企業の業績を上げるには、従業員の協力が欠かせません。
大企業であっても中小企業であっても、そこは同じことが言えると思います。
言わば事業再生を進めるうえでの「真理」とも言い切れる部分でしょうか。
私は、こちらの全従業員に対して、会社の決算内容を公表(ディスクロ)するよう、社長ご夫妻に提案しました。
社長さんも奥さまも「口元に泡を立てて」反対します。
反対の理由は、主に以下の3点です。
1.会社の業績不振を知った社員の退職が続き、労働力不足から現場が回らなくなる。
2.会社の秘密とも言える内容が、同業他社や世間に知られ、信用不安から倒産に追い込まれる。
3.今まで従業員に決算(売上・利益)の話すらした事が無く、説明しても理解できないだろう。
上記のような理由で、経営者はご夫婦共に、決算内容のディスクロと云う私の提案に同意してくれません。
それに対して、私は次のような言葉で社長ご夫妻に問い掛けました。
1.会社のピンチを知って逃げ出すような人材なら、そもそも会社に居ない方が有り難い。
会社の体質改善を図るには「少数精鋭」が望ましい、ぶら下がり社員は去って貰うしかないが、その手間が省ける。
2.自分がお世話になっている会社や社長の恥部を積極的に外部に漏らすよう人が本当にこの会社に居ると思うか?
信用不安と言うが、仕入サイトの変更や自宅競売等によって、信用に不安を持つ取引先は、とうに当社との取引を見直している筈。仮にそんな社員が居てマイナス情報を吹聴したとしても、それが致命傷になって商売が成り立たなくなるという事にはならないでしょう。
3.従業員にも大切な家族が居て、生計のために一生懸命働いている訳です。
数値そのものには関心無くても、会社の現状と未来に向けたビジョンを明示するだけで、労働意欲は相当向上すると思います。
「うーん」社長さんご夫妻も考え込みます。
私が社長さんご夫妻に上記のようなことを言えるのも、過去に同じようなケースや経験値がたくさんあるからです。
“案ずるより産むが易し”と言うでしょ、アレです(笑)
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