事業再生の現場から

太陽光発電バブル?③

私がお邪魔していたのは、人口10万人にも満たない市町村で長く土木建設業を営んでいるD社。

以前からD社長は、個人で所有する里山(平地林)に太陽光パネルを敷き詰め、メガソーラーは無理としてもそれなりの規模の太陽光発電所が設置できるのではないか、と関係方面からの情報を集めていて、そういう案件を抱えている事を私も承知しています。

ただD社は弊社の取引先であるように、財務上の問題で取引金融機関の“憶えめでたい”融資先では無いため、「現実的には投資資金調達が難しいよね」と、正直私としては、D社長にはあまり乗っ込み過ぎないで貰いたいなぁと思っていました。

先週D社を訪ね、何気に社長に「そう言えば太陽光の話どうなりました?」とお尋ねした処、「山(平地林)を売らないかっていう事になって、O社が(来年)3月までに(買取価格)38円の承認を貰えるよう動いているんで、もしかすると来月半ばには(山を)売っちゃうかも知れないよ」との回答。

「幾らになるんですか?」

「1坪1万円だから2,400万円位…。それに造成工事をうち(D社)が請け負う事が条件」

「銀行の担保設定が(根抵当権)極度1,000万円でしたよね。残り1,400万円を素直に解放してくれるかなぁ…。少し余計に内入しても1,000万円は運転資金で確保したい処ですねぇ。でも凄く良い話になりましたね(笑)」と私。

「そうなんだよ、何でも空いてる土地なら何処でも良い訳じゃないらしく、送電線との位置関係で東電に申請しても買取を認めて貰えないようなケースもあるんだって聞いたよ。うちのは、道路際で送電線も道路沿いにおっきいのがあるし条件の良い土地なんだそうだ。」

「O社(ノンバンク大手)も太陽光発電事業に積極的で、いったん東電と供給契約を結んだらその会社(発電事業者)毎、東京辺りの投資家に売却しちゃうんだとさ。だから買取価格の高いうちにって、他に余っている土地はありませんかって言うんで、もう一か所の山(3,000坪)も売っても良いよ、って(話を)振ってるんだよ」

違う場所は銀行の担保に入って無い、内緒の不動産♪

同単価で売れると良いですね、D社長。

北関東は年間通して日照時間が長く、大消費地(首都圏)に近い割に、地価は怖ろしく安価。

確かに太陽光発電所が成り立ちやすい条件が集まっていると言えます。

D社のようにその「太陽光発電バブル」の恩恵にあやかれる取引先が続くものか、注目して見ています。



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