事業再生の現場から

下天を謀る 上・下

お早うございます。

9月も今日が月末でいよいよ秋本番と言った処ですが、見事に晴れ上がった空の半分位のスペースを“うろこ雲”が占有…。

“食欲の秋”、“スポーツの秋”、“読書の秋”。

先週末に書店で表題本を買い込み、“読書の秋”を満喫しました。

直木賞作家・安部龍太郎氏の作で、小泉元総理の“帯書き”と言うんですか、推薦文に魅かれてつい買ってしまった次第です。

主人公は戦国武将、藤堂高虎(伊賀伊勢32万石)。

豊臣政権下で大名に取り立てられ、豊臣家とも近い存在(秀吉の実弟・秀長の家老)でありながら、秀吉の死を前後して早くも徳川家康に近仕した高虎を「天下万民の暮らし易い太平の世を創るため」家康と肝胆照らす仲になったとする見方でのストーリーで、豊臣家の「裏切り者」的見方をする司馬遼太郎氏の作品(関ヶ原・城塞等)とは全く対照的な物語でした。

藤堂高虎は浅井家を振り出しに主家を何度も変えた戦国の荒武者と伝わっていますが、武術の腕も然ることながら築城技術や対人折衝力に優れ、豊臣大名となる前から他家にその名を知られていた傑人ではあったようです。

豊臣大名でありながら、秀吉の嫡子・秀頼を早々に見限った事や「太平の世を創るため」との高尚な想いがあったのかどうかは別として反対陣営の徳川方に付いて豊臣家を滅亡させる先頭に立った事、更には後世幕末期「鳥羽伏見の戦い」で幕府軍に向けて砲撃を放った藤堂家の変わり身の速さ等、私にとって藤堂高虎は「悪役」そのもののイメージです。

「下天を謀る」を読んでもその疑念は払えず、高虎は徳川幕府“揺籃期”に大きな役割を果たしたのでしょうけど、その生き方を素直に「諾」とするには抵抗があります。

やはり司馬遼太郎先生の影響でしょうかねぇ。

さてとっ、気温も下がって過ごし易くなった昨今、“読書の秋”をまた楽しみたいと思います。

それにしても老眼が進み、夜がつらい…。

 

 



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