事業再生の現場から

事例集②

昨日の続き…。

Aさんは、事業資金借入金の返済とカードローン返済を合わせて月々20万円近くの返済を続けています。

事業資金はリスケ済で利払いだけですから、この支援を続けて貰っても借金の元金は1円も減りません。

そしてカードローンですが、1カード単位では小口(50万~100万円)且つ銀行系とは言え金利も10数%は負担しているでしょうから、毎月支払を続けているものの、殆ど元金は減っていないようです。それどころかもしかすると元加(元金に金利が乗せられること)されているのかも知れません。

長引く景気後退の影響から飲食店の客足も減少気味とのことであり、今後どのように身を立てて行ったら良いだろうか…この数年間悩んでいらしたとの事です。

仮に借金の重さに耐えられず自宅(メイン・サブメイン行に担保提供済)を売却して全債務を弁済しようとしても、オーバーローン(借金>資産)で債務完済とはなりません。

借金返済は軽減されるでしょうけど、新たに家族の住まいを求める必要が発生、宇都宮と言っても家族4人の住まいと言ったら家賃10万円は考えなければならないと思います。その外に借金が残っているので、その弁済も考える必要があります…。

既取引行は無理でも、都心部の外資系銀行や銀行系ファイナンス会社のように「おまとめローン」でも使えれば良いのですが、「さいたま市から北は取扱いできません」と言うのが基本スタンスのようで、なかなかうまい手が見つかりません。

弊社と面識のある市内金融機関でも「男気ある」某支店長さんに「おまとめローン」の相談を持ちかけて貰ったのですが、これも時間を掛けて検討して頂いた結果NGでした。

そのような経過を辿りやる事はやった後、Aさんは最終的に弊社が提案した「自宅売却」案を受け入れる事になりました。

当面家賃負担をお願いしますが、数年後にひとり立ちするであろうお子様による買戻を想定しています。

この取引でAさんには、店舗改装費が手許に残りました。

カードローン債務はそのままですが、Aさんの資産は無くなりました…。

さて、次の展開ですが…。



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