事業再生の現場から

REIT急騰、その先にあるもの…

アベノミクスの効果なのか、不動産投資商品であるREITが急騰しています。

個々人が収益性の高い不動産に投資(購入)するには通常莫大な資金を要しますが、小口資金をファンド方式で集め、それを複数の不動産に投資・管理、更には売却時期を検討する等、高度な(?)判断は専任マネージャー(管理者)にお任せできるREITと云う商品は、仕組みとして良くできたものだと思います。

しかもREITそのものを取引する市場が整備された結果、投資し易い商品として、私達にも身近なものになって来ました。(私は持ってませんが(笑))

ですから、近頃は経済誌や新聞ネタ更には有力週刊誌にも、REIT関連の記事が頻出するようになって来ています。

良く株式投資の世界では「女性週刊誌にどの銘柄が騰がる云々の記事が出るようになったら、相場は終焉間近か…」と言われる事がありますが、REITを巡っても相当マスコミ各方面で取り上げられているような気がします。

投資ですから購入する商品が「人気商品」であることは、投資対象となるかどうかのひとつのバロメーターなんでしょうけど、果たして日本の不動産は、今後値上がりが期待できるのでしょうか?

「日銀の量的緩和期待」と「政府の財政出動」で市中にマネーがだぶつき、行き場を求めているマネーが行き着いている先が、現在は「株式」であり「不動産(REIT)」という構図だと思います。

これは先進国(米国、欧州)でも同じような状況で、中央銀行が景気対策で金融緩和を意図的に創り出した結果、投資マネーが投資対象を求めて世界規模で巡り巡っている一部が、日本の株式と不動産にも恩恵をもたらしている、そう考えるべきでしょう。

所謂「金融相場」的な現象で、今のところ「実需」を伴ったものでは無いと思われます。

それでは外国は別として、日本の特に不動産実需は今後増加するのでしょうか?

国内市場は人口動向とGDP予測によってある程度は想定できると思います。

少子高齢化による国内総需要の減少と労働人口減による生産力漸減…。

外国企業が日本市場に魅力を感じて対日投資(市場開拓)に力を入れているとも聞かないし…。

となると、REITなり不動産価格なり株式なり、現在ある先高感は「一過性のもの」との疑念が消えません。

確かに半年前の相場に行き過ぎた“閉塞感”はあったにしても、マスコミが騒ぎ立てるような「売られ過ぎの日本。バスに乗り遅れるな!」的な投資を煽(あお)るような空気感にも、違和感を感じずには居られません。

未来の事は誰にも分かりませんが、来年の今頃、私はどんな感想を持っているのでしょうかねぇ。



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