経営者タイプ
有能?と思われる経営者にはこんなタイプの人もいる。
ある金融機関関係者から聞いた話。
その社長、独自の仕入れルートやビジネススタイルを確立することに長けている。
そのビジネスは競合他社より圧倒的な低コストでオペレーションされており、
そのため利益水準も高かった。
開業当初はそれこそ「破竹の勢い」で業績を伸ばし、
リーマンショック以降も積極的な店舗展開で業界内でも注目されていた。
しかしここ数年、どうも成長が止まっている。
何故かと調べてみると、どうも社長の経営手法に問題がありそうなのだ。
その社長、新たに物事を始めるにあたっては「独創的」である。
しかし、既に出来上がった仕組みを上手く運営するのは苦手らしい。
既存事業の効率化を図るため、社員に次々と斬新な指示を出すのだが、
いくつかの指示に矛盾が出たり、指示を守っているうちに元と同じ状態になったり。
要はじっくりと腰を据えて現状分析するというのが苦手で、
思いつきのまま既存の仕組みを悪戯に弄ってしまう。
与えられた指示は一見すると正しいのだが、
いくつかを重ねると間違っている、ということが多いらしい。
よく言う「合成の誤謬」というやつである。
そんなことの繰り返しなので人材も育つことがなく、
ますます迷走経営となっている。
中小企業の経営は「朝令暮改」でも良い。
環境に合わせ姿を変えることが生き残りの唯一の手段である。
しかし、何が正しく、何が間違っているのか、経営者はいつも真摯な気持ちで見つめなければならない。
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