合成の誤謬

ある会社の再建策を検討していた時のこと。


その会社、過去に大きなリストラを実施し一時は資金繰り好転したのだが、

ここ数カ月、また売上減少し始め、来月より「赤字」転落が確定している。

原因は圧倒的な「売上不足」である。


しかしその会社の経営者、「売上不足=努力不足」を認めようとしない。

つまり売上は「外部的な要因」、特に景気に左右されるものだから、

社内の努力では如何ともし難いとの考え。

そうなると再建策は当然「費用圧縮」しかない!!という考えになる。


出された案の数字を見て唖然とした。


なんと1/2の人員整理と給与引き下げ、

原価の大幅なカット。

勿論固定費も切り詰めてはいるが、もともと高くない会社なので「ほぼ0」の状態。



うーーん、

会社には「これ以下にすると機能しない」という限界がある。

どうもその限界を下回っているような。

案の定、その人員では「生産ライン」の維持が難しく、

生産コストは帰って上昇してしまっている。


経営に数字は付き物だが、

それは「実態」をより良く表現するために使われるもの。

赤字だから「費用を半分」にして黒字にするためのものではない。


経営者は数字に踊れされてはいけない。





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