風
風が変わった!!
ある経営者との話。
その会社、過去の過剰な債務や人員を整理すべく前年よりの改革を行っていた。
改革の途中、様々な問題が噴出、その結果この夏は売上激減し会社存続の瀬戸際まで追いつめられた。
(本当に従業員の給与が支払えない状況まで追いつめられた)
閉塞状況を打破するため、経営者は東奔西走し、なんとか9月までを乗り切った。
その間、社内では様々な試みがなされたが、最も大きなものは「情報開示」であった。
要は「会社はこんなにも苦しい。稼げない奴は出ていけ」と言った具合。
さて10月、秋風が吹いたためかどうか「風向き」が変わってきた。
苦しい中で出店した新規営業所に顧客がつき始め、会社全体の受注が徐々に増加。
あれほど頑なだった金融機関から資金調達ができて資金繰りが好転。
数人退社があったせいなのか、以前の淀んだ空気がなくなり、事務所の雰囲気が変わった。
そして今月、懸念事項であった不採算部門に突然他社からの買収話が飛び込んでくる。
情報開示で奮起した営業社員は、貪欲に受注を取り続け、今後の売上見通しが明るくなってきた。
1年間の改革は企業にとっては長い。
資金繰りがズタズタになり、本当に崖っぷちまで追いつめられる。
それでもその経営者曰く、
「こんな会社でも信じ応援してくれる人々の期待は決して裏切ってはいけない」
と言ってどんな辛い仕事にも自ら取り組んできた。
秋(あき)と書いて「とき」と読む場合がある。
正にその時に出会った瞬間であった。
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