事業と家業

稼業あるいは生業と「事業」、その境界はどこにあるのだろう。


あるクライアント先、有名で卓越した技術の持ち主である。

いわば「職人」、流行り言葉では名工の部類に入るのだろうか?

しかし経営的には長期間不振な状況が続いている。


原因は営業不足。

一見すると簡単に解決しそうな気がするが、そこがそうではない。
もともと職人肌のそのクライアント、

営業といっても経験もノウハウなく、また人前では話すのが下手。

その上収益や金銭観念が薄く、採算不採算を考えるのが苦手。

といって、大きな事業ではないので営業マンや経理社員を採用することもできない。


サラリーマンであれば「名工」として尊敬されるようなクライアント、

経営者であったがために、営業やお金の部分で様々な辛酸を舐めている。


こんな時「事業」とはなんだろうと考える。

確かに特徴のある技術や商品は大切である。

しかしそれ以上に大切なことは「それを売ること」なのではないだろうか。

どんなに卓越した技術や商品も売れなければ経営資源として役に立たない。

では売ることとは?

それば「営業」であり「金銭」であり「収益」そして経営なのだろう。

つまり、卓越した技術も「経営」という車に乗せなければ「金」にならない。


そのクライアント、年商の5倍という過剰債務で苦しんでいる。

なぜ金融機関は貸し出す前にそのクライアントが行っているのは

「事業でなく生業」であるとうことを考えなかったのだろうか?




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