不動産の生み出すもの
地方商店街の不動産価値の下落が著しい。
俗に言う「シャッター通り」の一角が売りに出されても、
誰一人として買い手が現れない。
地方都市の中心地として、もともとは相当高値で取引されていたのも昔の話。
今や下落に次ぐ下落で、価格の付けようがないのが実情。
そういった物件、もともと「収益を生み出す器」であり、
「そこで商売をすること」が目的。
しかし今や「そこで商売をする」ことが成立しなくなっている。
ほとんどの中心地商店は「赤字」経営であり、
経営者の高齢化もあった、今や「いつ廃業するか」が一番の課題である。
不動産の価格理論でいえば、
商店街物件は「事業収益還元法」による算定なのだろうが、
赤字の会社は「0」以下となってしまう。
つまり「赤字経営」→「不動産価値の下落」を生み出しているのである。
もちろん「商店街」というからには、店(点)の努力だけではカバーしきれないことも多い。
しかし、それを理由に赤字の常態化を認めている経営者も多い。
また十分努力はしているが、年齢や肉体の限界が来ている場合もある。
そういった事情を鑑みれば、
地方商店街は現在「ターニングポイント」に差し掛かっていると言える。
弊社のクライアントの中にも、地元商店が数社。
過去の赤字からの決別のため、ターンアラウンドを開始している。
最大限の努力はしているが、実情はとても厳しく、
まるで穴のあいた船で航海しているようである。
しかし店(点)の力でない、つまり「街」という面での取り組みがあれば、
もう少し「新しい何か」が出るのではないだろうか?
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