自立
先日、ある会社の社長と地方の景気について話していた時のこと。
その社長、兄弟が弱電部品の工場に勤めていたが、
昨今の不況で「リストラ解雇」されてしまった。
その兄弟、その後は跡継ぎのいなかった実家に戻り農業を継ぐ決心をしたという。
しかし農業での生計を立てるためには現在の農地では不足していると判断、
そのため今立て続けに後継者難の近隣農家から、次々農地を借りている。
と、そこまでなら普通の話。
そこは栃木でも中央から離れた山間部、
すべての経済機能を「農協」が掌握している地区。
しかしその兄弟、
これからの「農業経営」は自立することが必要との思いから、農協からの離脱を決意した。
地方の農協、
種や肥料・農作機器の手配から農作物の集配、金融保険や流通、政治的圧力団体にいたるまで、
全ての機能を備えた地方の「心臓」。
しかし、過去全ての機能をそこに委ねた故に現在起こっている機能不全。
そして、「他力」で生きることに慣れてしまった農家。
兄弟は、この「もたれ」関係には将来がないと見切り、ついに「自立」を決意した。
世界から見れば小さな変化なのかも知れない。
しかし、本人と環境からみれば「偉大な決心」。
がんばれ兄弟。
これも農業の再生なのだろう、我々も応援している。
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