事業再生の現場から

周りを見渡すと、どこもかしこもM&A

先週の事ですが、某銀行の某支店で振込手続きを待つ時間、「あれっ、C工業の社長じゃない?」と昔馴染みの社長さんに似た方をロビーで見かけました。

「もしかしてC社長さんですか?」思い切って声を掛けてみると、「あらっ村上さんじゃない?なんでここに居るの?」 やっぱりC社長だった…

私の方が少し早めにお店に来ていたので、C社長の手続きが終わるまでの10分くらいでしたが、お互い25年ぶりくらいに再会できた喜びで話が弾みました。

 

当時、C社は金属加工業を営む当地きっての「エクセレントカンパニー」で、当時社長も50歳前後の脂の乗り切った経営者という印象でした。

「その後会社の方はどうですか? 相変わらず社長の血色を見ると順調なんでしょうね!(^^)!」と私

「いやぁ、色々あってね… もう 6年になるかなぁ、コロナが始まる少し前に縁が合って〇〇〇〇テクニカルって企業グループに会社を買い取って貰ったんだよ」とC社長。

「そうですか、やはり後継者の問題ですか? 今どき、いずこもM&Aですからね、良い判断だったんじゃないですか?」私が続けます。

「結果的には従業員の給与水準も地元企業の中ではまぁまぁの水準になったと思うし、私も女房も、平穏な気持ちで日々過ごして行けるし、会社を手放して良かったと思うよ。先代から引き継いだ会社だったから、C家代々続けなくっちゃ、みたいな気持ちがどこかにあってさぁ。だけどうちは娘二人だったし、どだい狭い世界で経営が成り立つなら別だけど、こういう世の中になってしまった以上、経営能力がある経営者にお願いするっていうのは間違いじゃないと思っているよ」

なるほど、経験者だけに、C社長の言葉には「説得力」があります。

 

私達もこういうビジネスをやっているので、様々な形でM&Aが「出口」或いは「必要性ある」事案に出くわすのですが、結果として「あの時決断して良かった」という事後の感想を漏らす経営者が多いように思います。

買い手は潤沢な資金と旺盛な事業拡大欲で「小資本に襲い掛かる」従来イメージのM&A事案は昨今影を潜め、救済型且つ未来志向の強いM&Aが増える傾向が強まっているのでしょうか…

「周りを見ると、どこもかしこもM&A」

時代に良くマッチしたビジネスとなりましたね…

 

 



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