事業再生の現場から

ファクタリングに群がらざるを得ない理由①

ファクタリングという言葉をご存知でしょうか?

企業が外部から資金調達する際に、保有する「売掛金」等の債権を売却し、売却代金を回収する方法で手元に資金を確保する「資金調達方法」です。

その際に一定の手数料を差し引かれますが、これがファクタリング会社(債権買取業者)から見れば利益となり、依頼者(債権売却事業者)から見ればコストとなります。

国内にどれくらいの数のファクタリング業者が存在するのか私は知りませんが、大手金融グループ系列の事業者から独立系の事業者まで、相当数(有に100社は超えると思います)が事業を行っているようです。

 

先日、10年以上ABL(売掛債権担保融資)業界に身を置く知人と話をする機会がありました。

ABLとファクタリングは共に事業者が持つ「売掛金」にスポットを充てたビジネスモデルであり、共に売掛金が現金化されるまでの「期間」が待ちきれない”資金繰り多忙な事業者”を主要ターゲットにしている点ではよく似た事業形態を持っていると言えるでしょう。

ただ「資金を供給する」という点は共通でも、取引形態は全く違います。

ファクタリング業者は売掛金という事業者が持っている「債権」を買い取り(売買)する事で、売買差益を利益にします。

100万円の売掛金を手数料10%で買い取る場合、売掛金を売却する事業者には10%割り引かれた90万円が支払われます。

この手数料が「1回あたり10%」なので、毎月ファクタリング業者にお願いせざるを得ない状況になると、何と上記のように毎月100万円を売却し続けると、年間に支払う手数料は120万円、金利にカウントすると年利120%に相当します。

ファクタリングはコスト負担が重いのです。

そしてファクタリングは「債権の売買」であるため、事業者は貸金業者としての免許が要りませんし、貸金業法の規制対象にもなりません。

 

一方ABLは、あくまで「売掛金を担保として見做して」融資する手法なので、取扱できるのは、金融業者になります。

当然貸金業法の下、財務局や都道府県等の監督下にあるので、様々な規制に従って事業を行っています。

申込人が本当に返済できる目途があるのか、売掛金担保目線での融資になっていないか、それらを融資審査時に確認したうえで融資実行したのか、等々銀行審査ほどでは無いまでも、相当数のエビデンス(疎明資料)確保が求められます。

当然、取扱金利も利息制限法の制限がありますから、最高でも年利15%以内で取り扱いせざるを得ません。

 

なぜファクタリング会社に中小事業者が殺到するのか、その理由について書くつもりがダラダラ書き綴ってしまって、結論に到達できません…

読んで下さった皆様ゴメンナサイ、続きは次回に譲りたいと思います(1,100字を超えてしまいました(>_<))

近く続編を書きたいと思います。

 

 



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