事業再生の現場から

税理士事務所の功罪…

コロナ自粛中の反動か、このところ忙しく充実した日々を送っております。

反対に(仕事量と反比例するかのようで恐縮ですが…)、ブログ更新の機会がメッキリ減ってしまったようで、申し訳ないやら情けないやら複雑な心境です。

ホントは「定例的に」キチンとやりたいところなのですが…これがなかなか(笑)

 

久し振りの「題材」ですが、このところ幾つかリスケ案件に携わっている中で「気になった事」について、考えてみようと思います。

「リスケ」とは金融業界では「借入金返済条件の変更」を言います。

当初返済条件、例えば1,000万円の融資金を5年分割(均等返済)で借り入れたとします。

1,000万円の元金を60か月で均等返済したら、1か月の返済元金は167千円くらいですね。

今回コロナウィルスの感染を防止するため、人が集まる(人を集める)行為はNGとなりました。

旅行・ホテル、交通・運輸、飲食業界など、コロナウィルスの影響で売上が急減した業種・業界は数多く存在します。(影響が無いと言い切れる業界の方が少ないですよね)

売上が激減した事で、企業・事業主の財布に入るおカネは極端に減少しました。

一方で人件費・家賃の他にも、店舗や設備投資などに要した借入金の返済も、容赦なく銀行口座から天引きされて行きます。

これを一定期間(多くは1年以内でしょうけど)一定量まで「減額」してくれるようお願いするのが、「リスケ要請」です。

 

リスケ希望のある中小企業のA社長さんとA社と40年以上の付き合いがあるという、税理士事務所の担当者Bさんと、金融機関に対する「リスケ計画書」作成について意見交換をする機会がありました。

詳細は省きますが、決算書を脇に置いて質問を続けて行くうちに、「この決算書はA社の実態を本当に表したものなのだろうか?」失礼ながらそんな疑問が持ち上がって来ました。

思い切って際どい質問をすると、決算書の中に誤謬があることをA社長はあっさり認めます。

利益が少なく資金繰りが常に厳しい中小企業にはよくある事で、決算書自体がその企業の実態を必ずしも映し出していない事は、特段珍しい事とは言えません。

私の経験の中では、もっと規模もやり方も桁違いにでっかい事案を片付けた事もありますので…

 

問題はA社長と40年来の付き合いがあると豪語するBさんであり、Bさんを雇用する税理士(事務所)にあると思います。

聞けば創業間もないA社長と「二人三脚」でA社の経営に関与し、A社の発展に尽くして来たのだとABさんは仰います。

確かに「発展に尽くして来た」と仰られれば、その通りなのでしょう。

ですが「結果」はどうだったか?

まだ結論は出ていませんが(事業は継続中ですので)、その間事務所の(税理士)センセイは何をしていたのでしょう。

聞けば事務所の先代社長は20年以上前に身罷り、息子さんが事務所を引き継いで職員の指揮を執っているそうですが、古参のBさん他の職員には「アンタッチャブル」なんだそうです。(Bさん談)

そんな事で良いんでしょうかねぇ。

中小企業にとって税理士事務所はGPSみたいなモノだと思うんですよね、今自分が何処に居るのかさえも分からなくなったら…

税理士事務所の功罪って大きいと思うんです(*_*;

 

 

 

 

 



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