事業再生の現場から

人手不足に妙薬無…か、中小企業の苦戦続く

お早うございます。

夏休み明けの先週と今週も、お陰様で忙しく過ごさせていただいています。

「今」に始まった事ではありませんが、先週も取引先の社長さんとミーティングが、現場での「人手不足」が、経営に与えるインパクトの大きさを改めて知る機会となりました。

具体的には、A社(弊社の取引先)の顧問税理士事務所にお願いしている「月次損益報告会」に社長を始めとするA社の経営幹部と私が参加して、事業計画(目標・予算)に対する進捗状況と具体的な改善項目の定着度合いについて「質疑応答」、改善策が行われていない点について、今後の対応等を話し合ったのでした。

社長と専務取締役(NO2)の表情が冴えません。

3月末で奥様の実家の稼業を継ぐ事になってA社を退職した前工場長が去った後、どうも工場内の人繰りや仕事の段取りが上手く行ってない事は社長・専務も先刻承知であり、社員も2人、3人と自主退職が続いているらしいのです。

案の定…

5月迄の試算表ではその影響を数字から窺う事ができず「工場長退職の影響も軽微で済み…」と思っていた私ですが、6~7月の実績を見てビックリ(*_*;

全てが工場長入替に伴う「不慣れ」が原因だとも思いませんが、数字からは前年対比で10%近くも売上(生産量)が減少、利益に至っては前年同月比30%以下の水準まで急ブレーキが掛かってしまっています。

これ以上工場の稼働率が低下すると、月間収益が「赤字」に陥りそうです。

せっかく5年以上の時間を掛けて、今の収益力を確保できる体制を創り上げて来たのに…

 

A社長・専務ともに危機感を共有していて、人材紹介会社等へ「中小企業でのマネジメント経験のある工場長候補者」の紹介を依頼しているそうですが、この人手不足の世の中、簡単にA社にマッチした優秀な人材が見つかる訳はありません。

7月後半からは、社長自らが(社長自身は技術肌で現場の出身者)工場長兼務(前任者は副工場長へ)という形へ「緊急避難」して、工場の稼働率向上に取り組んでいるようですが、社長の年齢(70歳超)を考えると一時的な「緊急対応」策としか言いようがありません。

やはり内部昇格なり、外部招聘なりの対応が必要です。

もっと深刻なのは、今期(A社は3月末が決算期)に入って、貢献度や動きは別として若手の工員が3人も辞めてしまった事です。

その対応が急がれます。

派遣会社からの割高な人材に頼り切るのは、A社の収益構造上、望ましくありません。

現に3名の社員が派遣に切り替わっただけで、月間コストは数十万円増加しています。

かと言って「当面」…ホントに「当面」にして貰いたいのですが、高コストの人件費を支払ってでも「生産量」を確保しておかないと、「次」の需要そのものが消えてしまう事だってあり得ます。

 

中小企業の人手不足に加えて、就業希望者そのものが少ない中での募集競争…

辞めて行った若手3名は何処に再就職したのか…

或いは再就職そのものも、彼らの選択には無いのか…

中小企業の人材難は、これからも暫く続きそうですね(-_-;)

 

 

 

 



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